グランド・セフト・オートVIは長年、ゲーム・オブ・ザ・イヤーの最有力候補と見られてきた。当初は2025年を席巻すると予想されていたが、延期により2026年にずれ込んだ。今回ロックスターが再び発売日を2026年11月19日に延期したことで、ザ・ゲームアワードにとって状況は予想外に複雑化している。
理論上、GTA 6は来年の授賞式へのノミネート資格を保持している。しかし実際には、このタイミングがそれをほぼ不可能にする可能性がある。
たった1日が全てを変える
ザ・ゲーム・アワードは毎年11月下旬、通常は同月第3週の金曜日を応募締切としている。2023年は11月22日だった。同じスケジュールが維持されれば、2026年の締切は11月20日金曜日となる見込みだ。
GTA 6の発売日は11月19日、締め切りよりわずか1日早い。
形式上は対象となるが、このタイミングでは審査員がノミネート投票前に実際にプレイする機会が事実上皆無となる。この点だけで同作の受賞可能性は大きく損なわれるだろう。
評価する時間のない審査員たち
ザ・ゲームアワードのノミネート作品は通常、締切日よりはるか前の11月上旬に選出される。投票は早期アクセス版、プレビュー版、発売前にレビューアーに提供される最終コードを基に行われる。主要パブリッシャーはこのサイクルの重要性を理解しており、そのためほとんどのブロックバスターゲームは11月上旬までにリリースされ、批評家が評価する十分な時間を確保している。
しかしロックスターのワークフローは厳格で有名だ。早期コピーの提供は稀で、プレビューイベントはさらに稀である。GTA 6が締切直前に発売されるため、批評家が完全な体験を評価できるほど早期にプレイ可能なビルドを受け取れる保証はない。そして批評家も、マーケティング映像のみに基づいてこの規模のタイトルをノミネートしたいとは思わないだろう。
ザ・ゲームアワードにとっての頭痛の種
この状況は授賞式主催者を苦境に追い込む。この10年で最も期待されるゲームを除外するのは不自然だが、適切な評価なしにノミネートすれば投票プロセスの公正性が損なわれる。
このジレンマを回避する唯一の方法は、授賞式を1~2週間延期し、審査員がGTA 6を適切に評価する時間を与えることだろう。2026年12月への延期は、それ自体が大きなメッセージとなる。
さらに不確定要素として、ロックスターのこれまでの実績から、GTA 6が再び延期され、2027年に直接移行してこの問題を完全に回避する可能性もある。
業界が息をのむ
現時点では状況は流動的だ。GTA 6は技術的には2026年アワードの受賞資格を有するが、そのリリースを巡る状況が参加を複雑化させている。スケジュールが変更されなければ、ゲーム史上最大級のローンチ作品ゆえに、ザ・ゲーム・アワードは史上最も複雑な受賞資格問題に直面するだろう。